過去のCGアワード大賞授賞一覧
下記記載内容等につきましては、授賞当時のものであり、現在の所属や役職名やその他詳細と異なる可能性がございますことを予めご了承下さいませ。
また各大賞の授賞をもって、各受賞者の過去・現在・未来における健全性・適法性を必ずしも完全に保証するものではありません。
【2023年度(令和5年度)】
「該当なし」とした昨年2022年度と打って変わり、大きなインパクトのある不正・不祥事が相次いで露見した2023年(令和5年)は、某芸能事務所での性加害・性被害の問題や、某中古車販売業者による某保険会社と結託した不正や除草剤の不正な使用やゴルフボールで顧客の車を傷つけてから修理する不正な問題などや、某防衛組織でのセクシャルハラスメント等の問題をはじめ、某自動車会社の30年以上にわたる検査不正や、某政治家・派閥におけるパーティー券での裏金問題、某司法関連機関でのえん罪問題など、さまざまな露見・発覚・報道が後を絶たない状態でした。
そのような中で、選出が難航しつつも、下記の3大賞を決定・選出しました。
【2023年度の3大賞授賞者】
1.「勇気あるガバナンス大賞2023」(各種ガバナンス):
ビル点検員に扮して侵入して訓練でのサイバー攻撃用の機器を設置したり、実地調査を踏まえて様々なアナログ・デジタル両面でのサイバー攻撃を再現したりしながら実施した、日本においては勇気をもって踏み込んだ実践的・徹底的なサイバーセキュリティ対策訓練を行ったSansan社およびGMOサイバーセキュリティ byイエラエ社(ITガバナンス)
<勇気あるガバナンス大賞2023 授賞理由等>
全国的に広く知れ渡る形での報道(https://news.yahoo.co.jp/articles/c7a8f5cce77d0fb626e58b4ae70d9263121a9dc6 (
2023年12月26日掲載: Yahoo!ニュース))をはじめ、一連の各種報道・発表等で示されたように、海外では珍しくないとしても、日本企業では、ついつい机上の予定調和な訓練でごまかしがちな企業・関係者も少なくない中で、地道に実践的にサイバー攻撃対策を勇気をもって取り組んだSansan社、および、その訓練を設計・指導したGMOサイバーセキュリティ byイエラエ社の対応は評価に値するものと解され得る。
日本におけるサプライチェーンを通じたサイバー・レジリエンス、サイバー攻撃対策、情報漏えい・産業スパイ対策などの観点からも、ITガバナンス・情報セキュリティ対策の観点からも、「当たり前」のことを「当たり前」に勇気をもって行うという「リスク管理の意思決定」の大切さについても、同社らの対応から学ぶべきところは少なくないように思われる。
2.「勇気ある監査役大賞2023」(監視委員・監事・監査関連や社会的監査機能等も含む):
防災/減災/災害対策で生命・経済・レジリエンスを守るために、近畿地方の某県から発注された公共工事(トンネル掘削等)に関して、照明設置のために天井に穴を開けようとした際に、トンネル内壁の厚さ不足等の不正な工事実態を発見して隠ぺいせず是正につなげた、全面再工事へとつながったトンネル工事を受注した業者とは別の某照明設置工事業者(本来は県およびトンネル工事の受注企業が監査・検査などを行うべきところ、良心ある別の企業の工事関係者が実質的に機能する監査の役割を担った形態。受賞者が報復や不利益な扱いを避けるため念のためここでは匿名記載。)
<勇気ある監査役大賞2023 授賞理由等>
全国的に広く知れ渡る形での報道(https://news.yahoo.co.jp/articles/68f03362101e595a7830a1fc1243efc8777f9e03 (
2023年12月29日掲載: Yahoo!ニュース))をはじめ、一連の各種報道・発表等で示されたように、本来は発注する側の自治体(本件では近畿地方の某県)による監査・検査や、受注する側の工事会社(本件ではトンネル掘削やトンネル内壁施工をした企業)が、主体的に健全な工事の管理・コンプライアンスの推進を行うべきところだが、発注した自治体の監査・チェックが実質的に機能しておらず、また、受注した企業は、トンネル内壁(所定の1/10の厚さ(30cm必要なところが3cmしかない等))の強度があると明確に把握し、生命の危機やトンネルを利用した災害時の生命・救援活動・経済・事業活動の各レジリエンスを脅かすものと容易に理解できる中でも、隠ぺいし故意に危険な施工を押し通していたことは、公益性・社会的な安全性や自治体の信頼も地域住民の信頼も損ねる重大な脅威であったものと思われる。
その際に、自治体からのトンネル掘削・内壁施工などを担当した受注企業とは別に、照明設置工事会社がその脅威・公益性・社会的な安全性などを、本来、監査の役割を担うべき者に代わって、実質的に不正・危険・悪質な対応を食い止める監査役や監査人の役割を担う形となったものと解され得る。
照明設置工事会社が隠ぺいや「不作為による作為」(あるいは、積極的な黙認(通称「見て見ぬフリ」))や共謀共犯などを行っていたとしたら、本件におけるトンネル内壁の空洞(不正行為・危険性・社会への背信等)が、近年の「経済優先という名のもとでの暴走による隠蔽・捏造等の不正・危険性」が、あたかも安全・安心・満足であるかのように装い隠されたまま露見しなかったものと思われる。
「トンネル」に「空洞」があることが発覚・露見する、というメタファーは、近年の日本においては、工事物としてのトンネルに限ったものではないのかもしれない。
経済停滞や閉塞感や不公平・不条理・密室でのやりとり等という「トンネル」において、隠蔽・捏造・危険性をはじめとする様々な不正・無理筋の押し通しや、優れた状態を装った虚像に偽りの栄華を満喫して酔いしれ、正しいとされることを行う者が左遷・報復・不利益を与えられ、不正を都合よく隠し共謀するものを「適材」とし、その者が不正を都合よく行い続けられる役職・権限を得ることを「適所」とするがごとき状態を社会的に課してきたことが、トンネルを抜けるかのように不正が白日の下に露見・発覚してきているものと解し得るのかもしれない。
3.「勇気ある通報者大賞2023」(司法取引等も含む):
某噴霧乾燥器が兵器転用可能であると不正に理由づけられ濡れ衣を着せられた某企業および某企業の役職員に対する人質司法を含む残酷な冤罪事件に関して、暴走した捜査機関・関係機関においても少なからず存在する善良な意識のもとで、良心をもって捜査が捏造だと公に証言した現役の捜査官(受賞者が報復や不利益な扱いを避けるため念のためここでは匿名記載。)
<勇気ある通報者大賞2023 授賞理由等>
全国的に広く知れ渡る形での報道(https://news.yahoo.co.jp/articles/042e3b4cc944baeb8958f8fc69865286648cf2b7 (
2023年12月28日掲載:FNNプライムオンライン))をはじめ、一連の各種報道・発表等で示され、日本弁護士連合会のウェブサイトでも冤罪事件の事例として掲載(https://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/visualisation/falseaccusation/case4.html)されているように、もともと立件にはあまりにも無理筋で、かつ、いわゆる「人質司法」なる状態で冤罪ながらも拘束され続け、勾留および不当な保釈請求の却下等により、十分な医療をスムーズに受けられないまま勾留中に進行性がんで逝去された本件の冤罪被害者の方には、その胸中に思いをはせると心が痛み心よりご冥福をお祈り申し上げる。
捜査機関・関係機関が積極的か消極的か、明に暗にか、といった点は別としても、無罪推定のはずの勾留された者の人権・病状・惨状をさらに心身を踏みつけるように、口裏合わせ・人権蹂躙・隠蔽・捏造・司法制度の濫用などに加担したと社会的にみられても仕方ない状況を押し通していたことは、世界人権宣言・人権規約等を出発点とするSDGs・ESGが声高に叫ばれる日本社会において、本来、あってはならない暴挙でしかないと解され得るであろうし、捜査機関・関係機関のみならず、民間企業・各種団体においても、同様な問題は潜んでいる可能性はあろう。
しかし、そのような中で、一縷の望みとして、捜査機関・司法制度の健全化や、社会的な安全性や信頼性の回復というレジリエンスの光というか、しなやかなるコンプライアンス強靭化とでもいうか、多様性のある社会における柔軟をもった基軸のようなものを立て直す上で、捜査機関内部で報復・不利益な扱い等が行われる可能性が想定され得る中でも、捜査において捏造があったことを証言した捜査関係者には、その意図は多様であるかもしれない可能性は想定はしておくべきながらも、非常に勇気ある公益性に沿った対応と評価し得るものと思われる。
人権擁護は、人権を蹂躙する者が「オレ/ワタシの人権を守れ」と片務的に要求したり、法外の要求を押し通すものでもなく、相互性のもとで、他者の人権が侵害されようとする/された際に、その者の人権救済・支援を行う責務を担うものであり、言ってみれば、「いじめた側の人権が過剰に守られるようにしながら、いじめられた側の人権は徹底して踏みにじり続ける」ことが許容されるものではない。
また、SDGs/ESGを都合の良いところだけ喧伝し健全性を装ったアピールをする人・企業・団体・投資家等は、本件は他人事(言ってみれば「他者が人権侵害されたことなど知ったことではない・どうでもいい・大した関心ごとではない」)として放置・放任・軽視していたとしても何ら不思議ではないことなのであろうが、日本社会において、実効性あるSDGs・ESGへの取り組みがどこまでなされているかについて、本件が試金石となるものとも思われる。
単に捜査機関・関係機関を野次馬的に無責任な批判を投げつければ済むということではなく、捜査機関・関係機関の中にある善良なる良心・健全化への萌芽を育み、投げかけるべきものが批判や投石ではなく問題提起や法制度の人権擁護に沿った改正であると考えられるが、あるべき姿や理想や正義も多様な中で、我々が「どうしていきたいか」という点に、2024年以降、人権・SDGs・ESGの各個人・各社・各団体でのありようが、果たして虚栄・欺瞞・優良性を装った偽装かどうかが、次第に白日の下で浮き彫りになっていくものとも思われる。
【2022年度(令和4年度)】
2022年度は毎年恒例の3大賞の選出につきまして、諸事検討の上、「3大賞選出の選出なし」と致しました。
【2021年(令和3年)度】
日本マネジメント総合研究所合同会社 2022年1月20日
この度、下記の通り、毎年恒例の3大賞を選考選出致しました。
【2021年度の3つの大賞授賞者の発表】
1.「勇気あるガバナンス大賞2021」(各種ガバナンス): 一般社団法人 全国高等学校eスポーツ連盟 オンラインゲーム「フォートナイト」などの日本でのeスポーツ大会開催などによる日本におけるeスポーツの普及啓発活動などによるDX・オンライン化の推進
2.「勇気ある監査役大賞2021」(監視委員・監事・監査関連や社会的監査機能等も含む): 労働基準監督署による学校法人の未払い残業代の支払い勧告や過労死ライン未満での労災認定への判断見直しなどESG・SDGsにかなう監視活動
3.「勇気ある通報者大賞2021」(司法取引等も含む): 鳥取大学の元准教授による論文盗用の不正行為の告発者(匿名)による研究不正の是正活動
【3大賞の授賞理由】
1.「勇気あるガバナンス大賞2021」(各種ガバナンス): 一般社団法人 全国高等学校eスポーツ連盟 オンラインゲーム「フォートナイト」などの日本でのeスポーツ大会開催などによる日本におけるeスポーツの普及啓発活動などによるDX・オンライン化の推進
<授賞理由>
2021年12月19日付Impress Watch(掲載:https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1375410.html)や同連盟のウェブサイト(https://www.jhsef.or.jp/)によれば、世界的なオンラインゲーム「フォートナイト」や「ロケットリーグ」などに関し、同連盟による全国高校eスポーツ選手権の開催や国際連携などを通じて、チームコミュニケーションやグローバルコミュニケーションを通じ頭脳(戦略的思考力など)と運動能力を向上させるユニバーサルスポーツ(性別・障がいの有無・身体能力などの違いを乗り越えチャレンジできるもの)としてのeスポーツ文化の日本における普及啓発活動を推進している。
オンラインゲームについての功罪については様々な議論があり得る一方で、ESG・SDGsの観点からは、性別・障がいの有無・身体能力のちがいや国籍・所在地などのちがいも超えて、単にオンラインゲームで遊び惚けるのではなく、オンラインゲームを通じて自己成長や他者との関わりあいからの学びを得る場を、コロナ渦中の対面・接触が感染症対策上も避けるべきとされやすい中でも継続して提供できており、国内のある自治体が嫌悪の対象的な扱いのようにも見受けられ得るゲームを抑制する方向での条例制定などの動向もありつつも、ゲーム実況YouTuber(ミルダムなども含めたいわゆるゲーム実況者)やプロゲーマー(世界的大会では数億円の優勝賞金もありゴルフ等の優勝賞金を超えるケースもある)などが新たな職として認知されてきている時代に、理にかなった取組みをDXの観点からも推進しているものとも評価し得る。
また、同連盟のウェブサイトなどでも示されているが、eスポーツを通じた地方創生の支援や参画にも積極的に取り組んでいるように見受けられ、eスポーツを通じた社会問題解消への取組みも評価に値し得る。
なお、同ニュース記事において、第4回全国高校eスポーツ選手権「フォートナイト」部門で大阪府の吹田高校「あいうえお」チーム(デュオ)が戦略的な試合運びで初代チャンピオンに輝いた旨につき、コロナ渦中に明るい話題を提供してくれた同連盟と併せて温かい感謝と賛辞を送りたい。
2.「勇気ある監査役大賞2021」(監視委員・監事・監査関連や社会的監査機能等も含む): 労働基準監督署による学校法人の未払い残業代の支払い勧告や過労死ライン未満での労災認定への判断見直しなどESG・SDGsにかなう監視活動
<授賞理由>
2021年12月5日付共同通信社(Yahooニュース掲載:https://news.yahoo.co.jp/articles/3af303e2fa7b939362630699b384c4c7ab6757cf)および2021年12月23日付時事通信社(掲載:https://www.jiji.com/jc/article?k=2021122300904&g=soc)によれば、SDGsにいう現代の奴隷制とも言い得るような日本の悪しき違法な労働実態としての未払い残業問題(いわゆるサービス残業問題)に対し、EUで法制化・義務化された人権デューデリジェンス等の観点からも、日本における社会人権問題に対してガバナンス不全とも指摘されがちな学校法人に中立公正な観点から、法人の法令上も人権上も重要なごく基本的な義務を果たすよう是正勧告を出し、また、従来は労災認定の際のあいまいになりがちだった過労死ラインや労災判定について新基準に基づくよりESG・SDGsの理に適いやすい対応を推進していることは、ESG・SDGsの出発点である人権擁護や人権救済の面でも高く評価し得るものであると思料される。
本来は自浄作用として、また、ごく当然のコンプライアンス(法令遵守+社会的規範の積極的尊重)の初歩的な対応としても、法人が主体的に法令・社会通念に照らして健全な対応をとるべきであり、また、違法・不適切な実態を生じてしまった際にも、内部監査・監査役・監事・監視委員・評議員などが自浄作用の最後の砦として機能すべきであるが、コンプライアンスの積極的な形骸化を行いつつ、利益を得るために生産性の低さやDX推進などを含めた経営上の問題を改めるよりも、労働者に本来支払われるべき賃金等の私財を奪って法人の利益に充当する違法行為を通じた財務諸表上の優良経営誤認を与える工作によって、良き法人であるかのように取り繕うことは、ESG・SDGsの観点からも理にかなわず反SDGs社会的勢力・反ESG社会的勢力とも呼び得るものとも見受けられ得る。
法人が脱法的に法令上の形式をクリアすることだけに腐心することの無きようにするべき一方で、労働基準監督署が従来の形式・基準からより実態・実効性を重視した労災判定を行ったことは、とかく形式にとらわれ実効性が薄いと指摘され得るいわゆる「お役所仕事」の中にも、一筋の光明を見出し得るSDGs・ESG推進において社会的な問題解消に資する取組みでもあり、違法行為を犯して利を得たい法人を社会的に更生させる上でも評価に値し得るものと思料される。
3.「勇気ある通報者大賞2021」(司法取引等も含む): 鳥取大学の元准教授による論文登用の不正行為の告発者(匿名)による研究不正の是正活動
<授賞理由>
2021年12月7日付山陰中央新報(掲載:https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/132393)によれば、我が国の学術界の信頼を世界的に損なわせかねない海外学術雑誌に掲載された鳥取大学の元農学部共同獣医学科准教授による論文(カニの甲羅に含まれる物質の効果に関する内容)の研究不正について、公益通報をきっかけに同大学による外部委員を含めた調査委員会などによる自浄作用を通じて、論文の盗用を認定して学術界における研究不正の事後対処を同大学が適正に行っていた。
本来は、そもそも研究不正が行いにくいよう学校法人・学術界においても民間企業や自治体同様に会計上にとどまらぬ会社法型の内部統制の強化やその一環としての不正を許さぬ風土づくりにおける研究者に対する倫理教育・コンプライアンス指導などをはじめ、盗用チェックシステムなどを用いた事前予防策が十分に機能するよう同大学として務めておく必要が当然にあったが、日本の各大学のガバナンス不全がはなはだしいと社会的に批難を受ける現状において、本件の公益通報者は同大学が主体的に進め得る研究不正対策の強化・コンプライアンス対応の充実・ガバナンス強化への導きを与えたことで、ESG・SDGsでも重要視される透明性ある組織運営や国際協調の礎となる信頼ある対応を同大学が取り戻すきっかけづくりとなり得たことなどは評価に値し得る。
研究不正による華々しい成果発表よりも、新たな社会で必要とされ得る異端ともいえる研究活動に取組む研究者に研究予算を提供したり、健全な産学連携で研究費を捻出し広く良き研究が世に広まりESG・SDGsの理にかなう社会的な課題解消につながったりする学術研究活動を通じて、空虚な学位授与や悪質な利権につながり得る権威提供のために儲けに走ることなく大学をはじめとする学術界が社会に健全に寄与し社会から権威たるにふさわしい高潔さと尊敬の念を得て発展することを願ってやまない。
【2020年(令和2年)度】
日本マネジメント総合研究所合同会社 2020年12月29日
この度、下記の通り、毎年恒例の3大賞を選考選出致しました。
【2020年度の3つの大賞受賞者の発表】
・「勇気あるガバナンス大賞」2020年度(各種ガバナンス): (共同受賞) 飛行機を利用した人身取引防止に向け「日本は人身取引しにくい国」と意識付けを広める活動を進めたANAホールディングスおよび成田国際空港会社(NAA)
・「勇気ある監査役大賞」2020年度(監視委員・監事・監査関連や社会的監査機能等も含む): 感染症の災禍で混乱する社会におけるフェイクニュース「中国人が日本の健康保険を“悪乗り”するために押し寄せる」のファクトチェックを講じたBuzzFeed Japan社
・「勇気ある通報者大賞」2020年度(リニエンシーや司法取引等も含む): コロナ渦で差別や偏見を受けながらも医療現場の最後の砦として奮闘する看護師の人権擁護や相互理解を促す声明を発表した日本看護管理学会
【3大賞の受賞理由】
・「勇気あるガバナンス大賞」2020年度: 飛行機を利用した人身取引防止に向け「日本は人身取引しにくい国」と意識付けを広める活動を進めたANAホールディングスおよび成田国際空港会社(NAA)
<受賞理由>
2020年12月10日(木)Yahoo!ニュース( https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20201210-00000003-awire-soci )によれば、「全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は12月10日、飛行機を利用した人身取引防止をテーマとしたセミナーを、成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)と共催した。パネルディスカッションには両社のほかIATA(国際航空運送協会)と日本航空(JAL/JL、9201)も参加し、各社の事例を紹介。業界全体で人身取引防止に取り組むとした。」と報じられている。
また、同記事にて、「人身取引(Human Trafficking)は、売春などの性的搾取や強制労働、奴隷化、臓器の摘出などの「搾取」を目的とし、暴力や誘拐、詐欺などの「手段」により、対象者の獲得や輸送、収受することを指す。国際労働機関(ILO)のリポートによると、人身取引によって強制労働の被害にあっている人は世界で毎年約2500万人にのぼり、保護された被害者の約30%が18歳未満だったという。航空機は、被害者が逃げ出すことができない環境での長距離輸送が可能なことから、人身取引に利用されることが多い。警察庁は人身取引の防止施策として、民間企業との連携を強化。機内で人身取引の被害者を発見した場合に航空会社が通報する制度の導入や、人身取引被害リーフレットを外国人技能実習機構や成田空港に配布するなど、被害の拡大防止に努めている。」とある。
世界人権宣言を出発点とするSDGsにおいてもESGにおいても、英国における「現代の奴隷制度」に関する法律”UK Modern Slavery Act 2015”(英国現代奴隷法)や他の各種条約・法令等に鑑みても、現代でも「奴隷」は多種多様な形態で存在し、「現代の奴隷制」は日本においてもいわゆるサービス残業や名ばかり管理職をはじめ、広義には性的な奴隷的状態になり得るセクハラや職場の優越的地位を用いた非人間的な扱いを行うパワハラなどの人権侵害行為が後を絶たない。
そのような中、本業の航空界において、SDGsおよびESGの両面からも、また、それ以前の問題としても、航空機・飛行場などでを介した人身売買を防止する方向に向けて、先導的な役割を担った両者の役割は、日本国内だけでなく国際的にもその意義が称賛されるべきものと思料される。
・「勇気ある監査役大賞」2020年度: 感染症の災禍で混乱する社会におけるフェイクニュース「中国人が日本の健康保険を“悪乗り”するために押し寄せる」のファクトチェックを講じたBuzzFeed Japan社
<受賞理由>
2020年1月29日(水)のBuzzFeed Japan社による記事( https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/corona-virus-health-insurance )によれば、「拡散されているのは、1月25日にまとめサイト「Share News Japan」に掲載された《中国で日本の健康保険に“悪乗り”する方法が拡散… 新型肺炎で中国人が押し寄せる危険性》という記事だ。この記事では、夕刊フジのウェブサイトに掲載された、《【日本復喝】外国人に“食い物”にされる医療制度 400万円の医療費が8万円…日本の医療に“悪乗り”する外国人たち》という記事を引用。日本の医療制度に“悪乗り”する外国人がいるとするその内容を紹介しながら、ネットの反応として「これが中国人の本当の目的だろ」などと書かれたツイートを掲載している。この「Share News Japan」の記事は、計測ツール「BuzzSumo」で調べたところ、FacebookとTwitterで合わせて4万1千回以上拡散されている。」
同記事によれば、「BuzzFeed JapanはNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、2019年7月からそのガイドラインに基づき」ファクトチェックを行い、メディア・リテラシーの向上や記事の正確性などについて、同記事記載内容にて下記の分類を行っているとされている。
「・正確 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
・ほぼ正確 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
・ミスリード 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
・不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
・根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
・誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
・虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
・判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
・検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。」
その上で、同ファクトチェックにおいて「新型コロナウイルス「中国人が日本の健康保険を“悪乗り”するために押し寄せる」は不正確。」と示され、厚労省の全国調査や法務省の公式情報などを示した上で、いわゆる「バズる」ニュース・ネタ・SNS投稿などにも関わるBuzzFeed Japan社自身が、その「バズり方」や「バズる内容」が健全であるかを自浄作用的にもホイッスル・ブロワー的にも検証しメディア・リテラシーを高めようとする活動は、監査役等の監査・内部監査・外部の監査法人等の監査といういわゆる「三様監査」に加え、「四様監査」たる社会的監査機能を果たす役割でもあると考え得る。
メディア界では、社会部や芸能関連を含めて他社・他者を攻撃的なほどに批判的な報道を行うケースが散見される一方で、比較的メディア内部の批判・検証には甘い傾向にあるとも見受けられ得る状態である。
そのような中、メディアの中立公正で健全な対応を進める上でも、また、視聴者・読者などのメディア・リテラシーを向上させる上でも、同社が感染症の災禍で混乱する中での人権擁護の面でも果たした役割は小さくないものと思料され、本大賞受賞に適するものと判断され得た。
・「勇気ある通報者大賞」2020年度: コロナ渦で差別や偏見を受けながらも医療現場の最後の砦として奮闘する看護師の人権擁護や相互理解を促す声明を発表した日本看護管理学会
<受賞理由>
ハフポスト日本版の記事「看護師は「最後の砦」。医療現場が危機訴え「感謝の言葉は要りません」「偏見の目で見ることはやめて」」( https://www.huffingtonpost.jp/entry/nurse-covid19_jp_5fdaa6e9c5b6f24ae35d306e )によれば、「国内での新型コロナウイルス感染者数が再び増加する中、日本看護管理学会が「日本看護管理学会より国民の皆さまへ ナースはコロナウイルス感染患者の最後の砦です」と題するメッセージを公表した。発表は12月10日付。文章は「国民の皆さま、ナースが危機を迎えています。コロナウイルスに感染した患者さんの最も近くにいるのはナースです。この長期戦の中、ナースは身も心も疲弊してきています」という書き出しで始まる。専門職である看護師たちが、私生活や自身のキャリア形成に目をつぶり、時には自身の家族にも仕事内容を隠しながら感染者の看護にあたっていると説明した。「私たちは自分の仕事を全うするだけですので、感謝の言葉は要りません」とし、こう続けた。「ただ看護に専念させて欲しいのです。差別や偏見はナースに対してフェアな態度でしょうか?なぜナースたちは、看護していることを社会の中で隠し、テレビに出るときにはモザイクをかけなければならないのでしょう。これでは、潜在しているナースも復帰をためらいます」」とある。
身を挺して世界的な感染症の大流行(パンデミック)の災禍に、医療福祉機関の最前線で医師よりも患者に接触する時間が長い状態でも活動し社会基盤を支えている看護師が、感染症の発生源として地域社会で差別・偏見を受けるケースや、過酷な医療従事環境で心身ともに疲弊する状況では、いわゆる「医療崩壊」と述べられる事態に陥りかねず、誰しもいつでも感染して看護を受ける側になり得る中で、看護師への人権侵害行為は社会の構成員自ら窮地に追いやる愚行であろう。
SDGsやESGは当然ながらそれ以前の問題としても、人権擁護や多様性の尊重と受け入れあい・包摂(ダイバーシティ&インクルージョン)は、相互理解が出発点でもあり欠かせないステップである。
勇気をもって日本社会が抱える医療福祉に寄せられる実態を示し、社会をより良き方向に導きあえるよう活動されたことは、本大賞を受賞するにふさわしいものと思料される。
【2019年度】
日本マネジメント総合研究所合同会社 2019年12月24日
この度、下記の通り、毎年恒例の3大賞を選考選出致しました。
【2019年度の3つの大賞受賞者の発表】
・「勇気あるガバナンス大賞」2019年度:
短時間・大量処理のシュレッダーと黒塗りマジックペン
・「勇気ある監査役大賞」2019年度:
テーマパーク・遊園地の監視員
・「勇気ある通報者大賞」2019年度:
NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)のサンタ追跡ミッション
【3大賞の受賞理由】
・「勇気あるガバナンス大賞」2019年度: 短時間・大量処理のシュレッダーと黒塗りマジックペン
<受賞理由>
J-CASTニュース2019年12月03日19時21分提供の記事(https://news.nifty.com/article/domestic/society/12144-486959/)をはじめとするマスコミ各社の報道が正しければ、モノづくり大国を自称する我が国には、極めて統治力の優れたシュレッダーと黒塗りマジックペンが存在することが判明し、社会が驚嘆しそのモノづくり力と発想力や卓越した統治力に大きく心揺るがされた。
それら報道(あくまでも報道内容が真実であれば)に沿ってみた際、良いことか悪いことかを超越して、ひたすら機密情報を粉々にし黒塗りだらけの公開書面を量産し、民主主義か否かや妥当か否かすらも超越して、秘密主義社会の統治力において、抜群のコスパでいわゆるブラック企業の労働形態を超える超長時間労働(長時間シュレダー稼働)にも淡々と応え続け、大量の黒塗りでインク切れしたマジックは替えのきく部品のごとく大量に捨てられ取り換えられ続けながらも、文句ひとつ言わず唯々諾々と都合良く法を超越する道徳的な「模範的国民」かのように黒色インクを出し続けて黒塗りし続けている。
情報開示制度で事実を知ることができるという固定観念・偏見・アンコンシャスバイアスを打ち壊し、剣より強いペンの不都合さえ、そのペンより強力な全知全能不可侵たる黒塗りペンがあるという、ペンの多様性を知らしめる黒塗りペンは、個人情報漏えい事件が相次ぐ世の中に、新たな解決策を示しうるアバンギャルドにしてアンニュイな示唆に富むガバナンス・ツールとも言えよう。
そもそも、日本の大手企業から中小中堅企業に至るまで、一部の善良かつ優良にして社会的責務・SDGsの本質や出発点たる世界人権宣言などに沿って経営を行う貴重な存在以外に、一般的には企業統治が(経営陣にとってのみ都合良く)会社をまとめる、といった程度にしかガバナンスという言葉が空虚に用いられる域を出ないような企業が多いように見受けられる中、シュレッダーと黒塗りマジックはそのような経営陣にとって国家的お手本として大いに参考になるものなのであろう。
今後、人工知能とIoTがシュレッダーと黒塗りマジックペンに搭載されれば、法的側面のみならず倫理的側面からも、裁断・黒塗りしてはいけない文書を行動特性分析やセンサーなどで見分け、しれっとオーバーヒート機能やインク切れステルス機能で文書を保護したり、とかく漏洩しがちなHDDの廃棄過程で物理的にHDDを「裁断」したりする機能付加というような成長余地を考えると、第4次産業革命を国策に据える今、最も日陰にいる存在ながら最もセクシーなツールであり、改めてスポットライトをあてるに値するものがシュレッダーと黒塗りマジックであるとも考えられる。
ただ、問題としては、シュレッダーも黒塗りペンもいずれも、紙の使用を前提としている感があり、グレてないのにグレているかのように言われそうな若き環境保護活動家の方からすれば、そもそもペーパーレスにしていない大人たちの愚行であり、紙で情報開示している前近代的で日常的な環境破壊活動だと糾弾されかねない問題であるかもしれないが、そのような小さな大人の勇気ある批判に、いわゆる大きな大人が大人げなくムキになって不都合に反論する様は、小さな大人がかかえる個性をつぶされる社会の構造を如実に映し出すことに成功しているのかもしれず、非常にセクシーな状況なのかもしれない。
なお、弊社では本年度および過去の勇気ある3大賞などに関する選考過程の資料などは、個人情報保護の観点もあるため優秀なシュレッダー活用事例を参考にし処理し、透明性ある選考過程を求める声には、ページ番号など以外は、倫理的ではなくとも全面的に道徳的な黒塗り文書で積極的かつ包括的にご期待に応じられるよう、民主主義に沿って前向きに全身全霊で天に誓い不倶戴天の決意を持って善処できるよう検討しようと思う。
・「勇気ある監査役大賞」2019年度: テーマパーク・遊園地の監視員
<受賞理由>
日本企業の監査役・社外監査役・監視委員・監事等が、任期をまっとうした際に「大過なく任をまっとうできました」などとコメントしたり、任期満了後に子会社等の役員の椅子が用意されるような場合には、いかに経営陣におもねる監査をするかに腐心し始めて「監査役」ではなく「看過役」となり下がるような状況やそれに類する状況が、少なからず各地各社で各様に多様性をもって見受けられる。
もはや、企業統治は退廃しておりその最後の砦の監査役等も期待されるほどの活躍はなされていないように見受けられる中、日常的に少子高齢化する我が国の貴重な人財の生命とさらには労働や生活の質やモチベーションを高める活動を、注目されなかったりカスタマーハラスメントで罵声を浴びせられながらもコツコツこなす存在が、大賞の選考過程で浮かび上がってきた。
その存在こそ、これからの日本社会を支える幼児~若手やカップルの幸せや楽しさを安全と笑顔で監視・監査・保護する、監査役よりも日常的および有事に抜群の機能を果たしてきたテーマパークや遊園地の監視員なのである。
ウェブサイト掲載記事(www.olc.co.jp/ja/csr/report/main/06/teaserItems1/00/linkList/0/link/csr_keytopics_2011.pdf)やマスコミ各社の記事(例:東日本大震災時の監視員・スタッフ・キャスト等の避難誘導等の記事)によれば、災害時の対応としてBCP・危機管理対応を率先して「臨機応変力」((C)戸村智憲)を発揮して命や社会的な問題に立ち向かい、監査役等よりはるかに優れた危険情報の監視・感知・対応ができていたのが、各テーマパーク・遊園地の監視員であったと思料される。
もちろん、監視員が常駐していても問題はゼロになるわけではなく、そもそも問題が起きにくいようにする内部統制的な限界はあり得るものの、少なくとも世に多くいる監査役より日常的に実践的に危険回避の指導や抑止の機能を積極的に果たし続け、その監視員の賃金を考慮した場合も、はるかに監査役等よりもコスパが高く実践的で社会を支えているものと思われる。
日ごろ、注目されにくいものの少子高齢化し社会の先行き不安の世の中で、幸せと安心を守り少しでも楽しいひとときを老若男女・国内外の方々に提供して下さる監視員の方々を勇気ある監査役大賞として表彰することとした。
・「勇気ある通報者大賞」2019年度: NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)のサンタ追跡ミッション
<受賞理由>
AFPの記事(https://www.afpbb.com/articles/-/3156563?cx_amp=all&act=all)をはじめとするマスコミ各社の記事にもあるように、長期間にわたり、軍事機密を超える世界的機密事項であるサンタクロースに関し、危険や機密保持義務の違反を超えて公益性を優先し、サンタクロースが存在することを勇気と懐深い愛情をもって世に「通報」し、さらには、サンタクロースが今どこにいるかも追跡し常時「通報」(例: https://www.noradsanta.org/)するとともに、その存在と移動位置を明かしたため危険にさらされかねないサンタクロースに対し、エスコートパイロットが軍用機で小さな大人たちの夢を専守防衛し続けてきたのが、カナダおよび米国によるNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)のサンタ追跡ミッションとそれを支える「オペレーションHoHoHo」等である。
日本社会・企業においても、公益通報者保護法に沿って内部通報・内部告発を行った個人に対しては、非常に非情な報復がなされがちな一方で、法人が司法取引や談合等のリニエンシー制度利用に際しては法人の残存経営陣にとって都合よく解釈・運用される問題が少なからず見受けられ得るものの、NORAD各位の懐深き懸命な各個人が、サンタクロースが存在しプレゼントを配っている経路などを「通報」してきたことは、軍事的に強烈な報復がなされかねない危険性を恐れぬたぐいまれなる勇気をもった行動であり、社会的に称賛され応援されるべきものと考えられたため本件大賞に選出した。
ただ、クリスマスという呼称は各種多様性等の観点から避けるべきことでもあり、コーポレート・ガバナンス・アワードを主催する弊社および大賞選考委員長としては、本日2019年12月24日の大賞発表に際し、メリークリスマスではなくハッピーホリデーズ(Happy Holidays)と述べておこうと思う。
【2018年度】
日本マネジメント総合研究所合同会社 2019年1月14日
この度、下記の通り毎年恒例のコーポレート・ガバナンス・アワードにおいて、3大賞「勇気あるガバナンス大賞」「勇気ある監査役大賞(監視委員・社会的監査機能を果たすメディア・監事などを含む)」「勇気ある通報者大賞」を選出・顕彰致しました。
【3大賞の受賞者(各大賞の選考理由詳細は下記参照)】
・「勇気あるガバナンス大賞」2018年度
広島東洋カープ球団・選手・関係各位
・「勇気ある監査役大賞(監査委員等含む)」2018年度
山形県鶴岡市の致道博物館の関係各位および某ぬいぐるみの「恋人」を贈呈された方
・「勇気ある通報者大賞」2018年度
#Metooや#Time’s upの投稿・告発者・支援者の皆さま
【各賞の受賞理由】
・「勇気あるガバナンス大賞」2018年度 広島東洋カープ球団・選手・関係各位
男女共同参画やSDGs・ESGなどにおけるジェンダー平等などの観点からも、プロ野球の応援・運営支援において、報道などによれば、カープ女子現象を巻き起こすと共に、愛される球団運営や社会的に支持され得る活動など、目覚ましい活躍を遂げているものと見受けられる。
また、SDGsの持続的発展可能なゴールズへの取組みであるかのうように、球団経営・運営・試合などにおいて、安易なFAによる大型補強ではなく、人を大切に育て伸ばすスタイルは、選手の使い捨てではなく人材として活かす姿勢として、転職が活発化し経営者もプロ経営者が重宝されるようになってきた昨今のビジネスにおいても、非常に示唆に富むものと思料される。
実際に、FAの人的補償で得た貴重な人材を、さらに伸ばしてFA流出選手よりも活躍する展開なども報道等にて示されている通りであり、マネーボールは大切にしてもマネーゲームに浸って、ファンや社会的対話・傾聴をないがしろにしない姿勢は、上場大手経営者にも学ぶべき点が多々あろうと思われ、顕彰し学びを共有すべきものと判断する次第だ。
なお、公平性の観点から付記すれば、大賞選考委員長の戸村智憲は、大阪出身でコンプライアンス指導者でもあるため、邪な思いはない縦じまな人間であるが、球団の枠を超えて賞賛・顕彰に値するものとの結果となった。
・「勇気ある監査役大賞」2018年度: 山形県鶴岡市の致道博物館の関係各位および某ぬいぐるみの「恋人」を贈呈された方
同博物館のSNS投稿やメディアの「ねとらぼ」報道などによるものが確かなら、同博物館で30年前の「落し物」(注:ここは弊社としてはモノではなく思い出や愛情が注がれた存在として「迷子」と言いたい)となったドナルドダックさんに、恋人のデイジーさんの「ぬいぐるみが贈呈された」(注:ここもやはりモノ扱いではなく「再会がなされた」と言いたい)、とのことである。
昨今の社会問題として、大量消費・大量破棄・モノにあふれつつココロがすさむ、と言われるような問題に我々が直面し、入管法の改正にて社会も企業・組織も多国籍化・多様化する中、モノをモノ扱いせず「相手の身になって考える」姿勢を、同博物館の関係各位もデイジーさんをドナルドダックさんに再会させた一般市民と思しき方も示したものと思料される。
社会問題を見据える・監視する・問題提起や身をもって大切なことを示す上で、本件は、単にノリだけではなく、人のココロを大切にした社会的対話・協働との見方から示唆の多い一件と見受けられ、顕彰し社会的な応援を送るべきと思われる次第だ。
また、人生100年時代としての国家的動向や、少子高齢化の社会問題に直面する際に、30年の時を経て同博物館で再会したドナルドダックさんとデイジーさんが、ご成婚・ご出産や育児などを経て新たな展開を見せても素晴らしいものと思われるし、また、結婚しないままでも出産に至らなくても、いずれにしても、多様な価値観を踏まえて、今後70年にわたり同博物館も関係各位もデイジーさんを再会させて頂いた方も、それぞれに末永きご多幸をお祈りしたいところだ。
・「勇気ある通報者大賞」2018年度: #Metooや#Time’s upの投稿・告発者・支援者の皆さま
報道などによれば、2018年流行語大賞のトップ10入りした文言でもあり、また、人権を出発点とするSDGsやESGの観点からも、本来は企業や組織がハラスメントが極力起こらないよう、人権デューデリジェンスや予防策を講じておくべきところだが、それでも起こる人権侵害においては、人権救済の道を開くべきであり、自ら救済の道を歩まれた方々や支援者の方々は、「見て見ぬフリ」という不作為による作為・積極的黙認をせず、妥当な範囲で濫用のない限りにおいては、人権上で妥当な言動を進められたことに敬意を示し顕彰することとした。
法曹界の格言として、「権利の上に眠る者は保護に値せず」などといったことがあるが、泣き寝入りや人権侵害をよしとせず、自ら救済の道を拓かれたことは、勇気ある行動で高く評価されるべきものと思料される。
世界的なSNS等に人権救済の道を得られた点においては、SNS自体のフェイクニュース問題やGDPR・プライバシー・情報漏えいなどの問題はあるとしても、投稿者・支援者の方々の思いは、報道等が正しければ善き行いであると思われる。
また、SNS投稿や支援においては、SDGsやESGで本来は求められているはずの社会的対話や声にならない生の声への傾聴・協働が、ネット上では広く促進されることを見るにつけ、各企業・組織や人権救済機関等がより一層の社会的取組みを進めるべきと思われるとともに、ネット上でのSDGsやESGの情報発信・取組みの開示や、「SDGsウォッシュ」なるSDGs取組み健全性偽装とでもいうような、儲かるなら善人にでもなるというような姿勢ではなく、広く社会に支持され第一義的には社会も、また、波及的には企業や組織も、サステイナブルな成長を進める多様な対応を促進させるべきとの示唆に富むものでもあると思われる。
【2017年度】
日本マネジメント総合研究所合同会社 2017年12月28日
この度、下記の通り毎年恒例のコーポレート・ガバナンス・アワードを開催し、基調講演に続き、「勇気あるガバナンス大賞」「勇気ある監査 役大賞(監査関連役員・監査委員等含む)」「勇気ある通報者大賞」の3大賞の受賞者を発表致しました。
本アワードは、運営費用の全額を戸村智憲の私費により開催しております。(その他の開催詳細は割愛での掲載。2017年度はオンライン開催)
【3大賞の受賞者(各大賞の選考理由詳細は下記参照)】
・「勇気あるガバナンス大賞」2017年度
無事故無違反の運転歴50年で免許返納の照屋全行さん(95)=沖縄県今帰仁村渡喜仁=
・「勇気ある監査役大賞(監査委員等含む)」2017年度
社会問題となっているハードクレーム問題を調査・報告したUAゼンセン (団体受賞)
・「勇気ある通報者大賞」2017年度
公益通報者を奨励し報復から守る姿勢と実際の行動を示したファーウェイ
【勇気あるガバナンス大賞(2017年) 受賞者】
無事故無違反の運転歴50年で免許返納の照屋全行さん(95)=沖縄県今帰仁村渡喜仁=
<選考理由>
沖縄タイムス(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/183373)の2017年12月31日の記事によると、「自動車免許を取得してから50年以上、事故や交通違反とはついに無縁だった照屋全行さん(95)=沖縄県今帰仁村渡喜仁=がこのほど、免許証を返納した。「まだまだ運転できる自信はあった」と話すが、万一の事故を心配した家族から返納を促された。“あおり運転”など車社会のストレスが全国的な問題となっている今、安全運転の秘けつは「時間に余裕を持つこと」。交通安全の鉄則を身をもって示す。(北部報道部・城間陽介)」とある。
社会問題としてあおり運転での大事件はもとより、「スピードオーバー」や「悪質運転」の経営を続ける名門や大手企業や、中堅中小のファミリー企業の経営陣などは、経営において、まず、無事故無違反をまねできないほど退廃した企業統治の統治権争いを繰り広げる者が少なからず見受けられ、また、自ら「免許返上」する「セルフ・ガバナンス」がきかず、社長・役員のイスと経営のハンドルにしがみつく者も少なからず見受けられる。
運転も経営も、心のブレーキと踏まなければならない公益通報や取締役会などでの異議・意見陳述などの「アクセル」を緩めないことが肝要と思われる。
本件の受賞は、単に、交通安全のみならず、企業経営にも通じる大切な心がけを示すものとして受賞にそぐわしいものと考え得る。
【勇気ある監査役大賞(監査委員等含む)(2017年) 受賞者】
社会問題となっているハードクレーム問題を調査・報告したUAゼンセン (団体受賞)
<選考理由>
毎日新聞(https://mainichi.jp/articles/20171117/k00/00m/040/066000c)の2017年11月16日の記事によると、「調査結果によると、迷惑行為を受けたと回答したのは3万6002人(約70%)。行為の内容(複数回答)は暴言が2万4107人(約47%)、何度も同じ内容を繰り返すクレームが1万4268人(約28%)などで、土下座を強要された人も1580人(約3%)いた。迷惑行為を受けた人の約9割がストレスを感じ、359人(約1%)が精神疾患になったという。 回答者の約半数が「迷惑行為が最近増えたと感じる」としており、UAゼンセンは「増加する背景には、顧客から不当な要求があっても耐えなければいけない『お客様第一』の風潮がある」と分析する。【古関俊樹】 」とある。
企業統治における重要な社内外への公約ともいえる社是・経営理念において、人を大切にすることや正しいことを行う旨の内容が掲出されている企業が少なくないが、実態として、消費者の妥当な範囲での権利を保護しつつ、自社の役職員の命にも関わるハードクレームからの安全配慮や組織的保護が十分になされていないことは、監査でも指摘されてしかるべき問題であろう。
本来は監査役・監視委員・監事といった課題指摘だけでなく独立性・客観性を保ちながらも、問題の是正に向けて指摘・勧告・指導などを行うべき方々が、あまりにも保身や言い逃れや監査役が「看過役」になるほどの働きぶりで受賞対象者にノミネートされにくい状況なのは悲劇的とも言えそうである。
本件受賞はコーポレート・ガバナンスのステークホルダーでもある労働組合であるが、本来的には、労使・企業の枠などを超えて、権利や優位性の濫用なくお互いに幸せになりあう取組みとして、役職員の保護につとめるべき問題を、改めて社会的に認識する機会を生んだ受賞者の活動の意義深い点があり得ると考えられよう。
【勇気ある通報者大賞(2017年) 受賞者】
公益通報者を奨励し報復から守る姿勢と実際の行動を示したファーウェイ
<選考理由>
PC Watch(https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1079363.html)の2017年9月6日の記事によると、「Huaweiが自ら職員向けに開いているオープンコミュニティサイト「心声社区」で、「真実を貫いてこそHuaweiは充実する」(原題:要堅持真実、華為才能更充実)と題された、Huawei創始者 任正非氏が全職員に宛てたメールが公開されている。メールには、「我々は職員および幹部が真実を語ることを奨励すべきだ。真実には正確なものと不正確なものがあるので、各組織がそれを採択すべきかどうかは問題ではないが、風紀を変える必要はある。真実は組織の管理を改善するのに役立つが、嘘は管理を複雑化し、コストを高める要因となる。よって、会社は梁山広氏(社員番号00379880)のランクを即日2つ昇進させ16Aとし、そのほかの昇進や一般査定に影響しないものとする。自らの職位を選べ、研究所での仕事を許諾。鄧泰華氏の保護下に置かれ、打撃や報復を受けないものとする」と書かれている。」とある。
公益通報者保護法が施行された後も、日本企業で公益通報者への報復やそもそも通報を阻害する対応が少なからず見受けられ、また、同法にも法改正すべきと思しき点があり、米国の法令と異なり公益通報者が報奨金などのインセンティブを得ることもなく生計が困窮したり転職すら難しくなったりしかねない状況は、日本社会で改めるべき点であろう。
本件受賞の同社は、公益通報者の保護について100%良きものかは実態を踏まえて計り知れない点や、中国のこれまでの通報や密告などの問題を看過して手放しで称賛し得ない点があるかもしれないが、大手企業が公益通報に対するインセンティブを示すものとしては、日本企業の経営陣各位が深く学ぶべき点が少なくないものと考えられる。
日本企業でのイクメン・イクボス宣言を対外アピール的に行う者は少なくないが、その実態として、マタハラ・セクハラ・ジタハラ(いわゆる口先介入的な働き方改革パフォーマンスなどによる時短ハラスメント)が横行している職場が少なからず見受けられるが、実際の行動をもって「正しい」(あるいは妥当な)ことをする者への対応をインセンティブをもって行った点は、本件受賞にそぐわしいとも考えられる。
【2016年度】
日本マネジメント総合研究所合同会社 2016年12月5日
この度、下記の通り毎年恒例のコーポレート・ガバナンス・アワードを開催し、基調講演に続き、「勇気あるガバナンス大賞」「勇気ある監査 役大賞(監査関連役員・監査委員等含む)」「勇気ある通報者大賞」の3大賞の受賞者を発表致しました。
本アワードは、運営費用の全額を戸村智憲の私費により開催しております。(その他の開催詳細は割愛での掲載)
【3大賞の受賞者(各大賞の選考理由詳細は下記参照)】
・「勇気あるガバナンス大賞」2016年度
ドナルド・トランプ 第45代アメリカ合衆国大統領
・「勇気ある監査役大賞(監査委員等含む)」2016年度
厚労省の「過重労働撲滅特別対策班」(通称:カトク)
・「勇気ある通報者大賞」2016年度
盲導犬受け入れ拒否に対して勇気ある通報・相談をされ た視覚障がい者の方々 (合同受賞)
【勇気あるガバナンス大賞(2016年) 受賞者】
ドナルド・トランプ 第45代アメリカ合衆国大統領
<選考理由>
際立った暴力的な発言やはちゃめちゃぶり、偏った発言などを通じて、各国の首脳・政党党首などの中で偏ったスタンスをとる者だれもが、トランプ氏と比してかなり偏った者でさえ中道穏健な立ち位置に見えてしまうほどであり、そのことをもって、偏って暴力的な発言をしていたような方々でさえも、トランプ氏を反面教師として人権・ダイバーシティ&インクルージョンについて理解を深めようとする気運すら醸成した感がある。
大統領としての手腕はこれから問われるものであるが、良きブレーンをフル活用して持ち前の押しの強さで施策を 実践に移していければ、トランプ氏個人の能力は別として、良き経済効果が生じる可能性はあり得る。後世の歴史的な考察を必要とする可能性があり得る中で、同じ「勇気」といっても、暴走による「蛮勇」となるか、健全に人権・倫理・ダイバーシティ&インクルージョンといった観点から妥当な「義勇」となるかについては、念のため慎重に今後の推移を見守るべきものであろう。
国際情勢・ミリタリーバランス・経済・その他さまざまな面でトランプ氏の大統領就任により多様化と適応の真価が問われるものと思われるが、その過程で、トランプ氏の支持者もそうでなかった方々も、また、国際社会も、相互に幸せになりあえるようにするにはどうしていくべきかについて学びを深められることを切に願うものである。
【勇気ある監査役大賞(監査委員等含む)(2016年) 受賞者】
厚労省の「過重労働撲滅特別対策班」(通称:カトク)
<選考理由>
厚生労働省はいわゆるブラック企業や労働環境上の問題がある企業にも、ある種の国としてのお墨付きを与えてきたことはゆゆしき問題であろう。
一方で、カトクの活動を通じて、過去にお墨付きを与えた企業を含めた聖域なき労働環境是正の調査や指導などを通じて、過労死やメンタルヘルス不調者がひとりでも多く救われ、また、そもそもそのような問題に至る前に良き労働環境が整備されることが期待される。
厚生労働省内で医療現場の過重労働をどこまで是正できるのかについては、かつて有名な某病院の長時間労働等における厚労省の対応にやや問題があったように見受けられ得るが、一般事業者だけでなく、医療福祉機関の過重労働もどこまで踏み込んで裁けるのかについて、今後の進捗を見守りたいところである。
【勇気ある通報者大賞(2016年) 受賞者】
盲導犬受け入れ拒否に対して勇気ある通報・相談をされ た視覚障がい者の方々 (合同受賞)
<選考理由>
河北新報2016年12月3日(土)記事によれば、盲導犬を同伴した障害者の受け入れを、飲食店や公共施設、交通機関が拒むケースが宮城県内で後を絶たない。盲導犬の受け入れは2002年施行の身体障害者補助犬法で義務付けられ、今年4月には障害者差別解消法も施行されたが、抜本的な解決には至っていない。 日本盲導犬協会仙台訓練センターによると、同協会の盲導犬を利用する県内の視覚障害者は15人で、受け入れ拒否の報告は15年が10件、今年は11月までに9件あった。金井政紀センター長は「報告が来るのは相当腹に据えかねたケース。実数は何倍もあるだろう」と説明する。 拒否したのは飲食店がほぼ半分で、他にはホテル、医療機関、タクシー、スポーツ施設、神社と多岐にわたる。職業訓練校や自治体庁舎の食堂といった公の施設でもあった。医療機関を巡っては厚生労働省がホームページやパンフレットで「受け入れ義務がある」と呼び掛けるが、仙台市内の大規模な病院でも受診や見舞いの拒否が発生している。 補助犬法は犬の健康衛生の管理を利用者に義務付ける。犬は迷惑を掛けないよう特別な訓練を受ける。「待合室や診察 室、病室など一般的な患者が入れる場所ならば盲導犬の受け入れに問題はない」と金井センター長は理解を求める。 交通機関では今年、格安航空会社が盲導犬利用者4人のグループに「1機につき受け入れは1匹」との理由で予約を断っ た。グループは大手航空会社への予約変更を余儀なくされた。宿泊予約でも盲導犬同伴を告げると満室を理由に断る施設が少なくない。盲導犬協会は「受け入れ拒否の可能性がある」とみる。 拒否の報告があると、協会は店や施設に事情を聴く。法律を知らなかったり、事業者の受け入れ方針が現場に浸透していなかったりするケースが多い。70%は一度の説明で解決するが、交渉を繰り返しても改善しないケースが5%あった。 (上記の出典: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161203-00000009-khks-soci )
以上のような状況において、復興地において、誰かの人権が損なわれる際に悪しき絆で排除を野放しにせず、他者の人権が損なわれる際(いじめ等も含む)にこそ、町並みや建物などのインフラだけでなく、良き絆で互いに幸せになり合えるように「心や人権に関するインフラ」となる社会風土や相互扶助といった面の一層の強靭化を願う次第だ。
【2015年度】
日本マネジメント総合研究所合同会社 2015年12月14日
この度、下記の通り毎年恒例のコーポレート・ガバナンス・アワードを開催し、基調講演に続き、「勇気あるガバナンス大賞」「勇気ある監査 役大賞(監査関連役員・監査委員等含む)」「勇気ある通報者大賞」の3大賞の受賞者を発表致しました。
本アワードは、運営費用の全額を戸村智憲の私費により開催しております。
開催日程: 2015年12月11日(金)15:00~17:00
開催会場: ホテルグランドヒル市ヶ谷「翡翠」の間 (東京都新宿区)
ご参加費: 無料(競合他社など企業の枠を超えて受付)
主 催: 日本マネジメント総合研究所合同会社
メディアスポンサー: 日本工業出版(株)・『流通ネットワーキング』
大賞選考委員長: 戸村智憲
<基調講演>
「巨額“不適切会計”の問題と企業統治」: 日本マネジメント総合研究所合同会社 理事長 戸村智憲
<大賞発表>
コーポレート・ガバナンス・アワード(CGアワード) 大賞発表
・大賞選考委員長からのコメント
・「勇気あるガバナンス大賞」発表
・「勇気ある監査役大賞」(監査関連役員・監査委員等含む)発表
・「勇気ある通報者大賞」発表
【3大賞の受賞者(各大賞の選考理由詳細は下記参照)】
・「勇気あるガバナンス大賞」2015年度
いわゆる「資生堂ショック」を報じてダイバーシティ経営の副作用・問題を正面から報じたNHK取材班(マスコミ受賞)
・「勇気ある監査役大賞(監査委員等含む)」2015年度
某社会福祉系団体において、監査の役員として不正を見過ごさず指摘するも、最終的には法制度の限界から 自ら辞職をもって抗議した方(男性)(匿名対応)
・「勇気ある通報者大賞」2015年度
東芝の社内から全容解明に寄与する公益通報を行い自 浄作用と健全化への最後の砦となった方々 (合同受賞)
【勇気あるガバナンス大賞(2015年) 受賞者】
いわゆる「資生堂ショック」を報じてダイバーシティ経営の副作用・問題を正面から報じたNHK取材班(マスコミ受賞)
<選考理由>
同受賞者(マスコミ各社)は、安倍政権の重要課題であるダイバーシティ推進や女性活躍において、とかく世論を操縦するかのような「ふわっとしたダイバーシティ・女性活躍推進」の論調でバラ色の未来像の演出・世論喚起において現実的問題を必ずしも現実的な問題に突っ込み切れていない中で、日本各社のダイバーシティ・女性活躍推進の場面で直面する問題を、マスコミにおける「社会的監査機能」を少なからず発揮して問題提起と健全に現実的課題への再考の場を提供する役割を果たした。NHK全体のガバナンスについては議論の余地が多分にあるが、その中の活動は評価し得る。
もちろん、ダイバーシティ経営は女性活躍推進のみを意味するものではなく、LGBT(セクシャル・マイノリティー)や 障害者雇用(改正障害者雇用促進法)や多様な人種・宗教・文化などを包含するものであり、コーポレートガバナンス コードでもダイバーシティの多様な局面での対応が求められるものであるが、少なくとも、日本企業における女性活躍と少子化対策に偏重したダイバーシティ議論における重要な問題に、あえて積極的にマスコミによる社会的課題を問いかけた点が評価し得るものと考えられる。
いわゆる「資生堂ショック」についての詳細は、2015年11月9日(月)NHKニュースおはよう日本 http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/11/1109.html に掲出されている通りであるが、この内容が社会的にダイバーシティ・女性活躍推進のあり方を問い直すきっかけとして社会的ムーブメントを巻き起こしたことにより、各企業現場でダイバーシティ施策を活用する方々が直面する不合理やハラスメント(マタハラ やパタハラなど)において、企業の画一的な施策で良しとするガバナンスを改革する契機になり得る点も評価し得るものである。
【勇気ある監査役大賞(監査委員等含む)(2015年) 受賞者】
某社会福祉系団体において、監査の役員として不正を見過ごさず指摘するも、最終的には法制度の限界から 自ら辞職をもって抗議した方(男性)(匿名対応)
<選考理由>
同受賞者は、社会福祉系の団体において、経営陣の監査関連担当の役員として経営陣による不適切な不動産取引や運営上の問題を指摘し、健全な経営・運営を目指したものの、政治家が絡んだ問題や一般企業と異なる法制度や慣習等における限界等に行く手を阻まれ、保身や馴れ合いや不正を見て見ぬふりをせずに、健全に個人としても職業人としても生きていく上で、最終的に辞任をもって抗議しつつ、辞任後は一職員として別の社会福祉系団体においてまっとうな道を選んで自らの人生に恥じない対応をとった姿勢は、一般企業の監査役とは異なる法制度において最大限の健全性を保つ努力を果たし、役員や好条件の職を辞してでも一職員として歩み直す監査人としてあるべき姿のひとつとして 評価され得る。
新たな一職員としての道を粛々と歩んでいかれる中で、実名による公表では新たに得た職において平穏で健全に過ごすことが困難な報復・嫌がらせ・各種の支障などを生じさせてしまいかねないため、社会全体でどの法人のどなたが受賞されたかわからなかったとしても、受賞者ご本人だけであっても、報われない思いが解消されたとすれば、本賞の意義は十分満たせるであろうことから、匿名での受賞とした。
【勇気ある通報者大賞(2015年) 受賞者】
東芝の社内から全容解明に寄与する公益通報を行い自 浄作用と健全化への最後の砦となった方々 (合同受賞)
<選考理由>
同受賞者は、東芝の巨額の粉飾決算により、オリンパスの「飛ばし」の不祥事における課徴金の10倍近い、過去最高の70億円を超える課徴金が科せられるに至った問題において、当初の第三者委員会の報告や東芝の公式見解等では現れてこなかった全容を解明する上で、貴重な役割を担ったものであり、公益通報者がコーポレート・ガバナンスの一翼を担う重要な責を果たした点は、オリンパスの不祥事発覚の際のウッドフォード元社長による公益通報よりはるかに高く評価され得るものといえよう。
コーポレート・ガバナンスは水平方向でのチェック・アンド・バランスのみならず、内部統制・公益通報者保護制度と一体のものとして垂直型のチェック・アンド・バランスが不可欠であるが、公益通報に至った背景・思惑は様々に あり得るかもしれない一方で、企業健全化への最後の砦として果たした役割は計り知れない意義があるといえよう。
本来は監査役・監査委員・社外取締役といった役員層において早期に問題の指摘と自ら膿を出し切る対応が必要であったものの、十分にコーポレート・ガバナンス上の責を果たせていなかった役員層の方々に比して、この公益通報者各位が果たした役割は、役員によるコーポレート・ガバナンスの責を超える重要な責を果たしたものと思料され得る。
【2014年度】
【「勇気あるガバナンス大賞」(2014年度) 受賞者】
第三者委員会報告書格付け委員会 委員長の久保利 英明(弁護士)氏
<選出理由>
同受賞者は日本経済新聞2014/4/2 21:26付の報道記事や同委員会発表内容等が正しいものとしたならば、同記事によると、「不祥事を起こした企業が原因究明などのために設ける第三者委員会の報告書を格付けする独立機関が2日、発足した。機関を立ち上げた有志の弁護士らが同日、都内で会見し概要を説明した。社会が注目する報告書を「独立性は十分か」などの視点で5段階で評価。評価は定期的に公表し、第三者委に規律を促す。優れた報告書は表彰する。第三者委は企業が自ら不祥事の原因究明や再発防止を目指す手法として2000年代半ばから普及。ただ、過去には調査対象や期間を企業の都合に合わせたとみられかねない報告書や、企業の協力を得られず中途半端で終わる報告書もあった。同日開いた初回会合では、独立機関の名称を「第三者委員会報告書格付け委員会」とし、3年間活動することを決めた。委員には企業法務に精通する久保利英明氏、国広正氏、野村修也氏らの弁護士、大学教授ら計9人が就任。委員長には久保利氏が就いた。年4件程度の格付けを目指す。第1弾としてみずほ銀行の暴力団関係者への融資に関する報告書を取り上げ、5月中に評価を公表する。野村氏は所属事務所の弁護士がみずほ第三者委のメンバーだったため、利害関係者として今回の議論には加わらない。格付けは5段階で「A(良い)」「B(比較的良い)」「C(比較的悪い)」「D(悪い)」までを合格、「F」を不合格とする。各委員が個別に評価と理由を出し、総計を格付け委の評価としてサイトに掲載する。当該企業や第三者委のメンバーから反論が寄せられた場合、サイトに併載する。」とあり、また、各種公開資料等において、企業の健全性を高める上で重要な第三者委員会が、いい加減な対応のままで弁護士が儲ける健全性を装うアリバイ作りの道具と化しているような状況を憂慮して活動が行われてきているようであり、その理念と社会的意義の重要性を勘案し、また、同業の弁護士・会計士などからの批判も受けつつも企業健全化にまい進する勇気ある活動への賛辞を込めて賞したい。
【「勇気ある監査役大賞」(2014年度) 受賞者】
アコーディアゴルフ社の元社外監査役として最高裁判決で勝訴を獲得した
日野正晴 氏
<選出理由>
同受賞者はアゴラhttp://agora-web.jp/archives/1460645.htmlの報道記事が正しいものとしたならば、同記事によると、「旧商法時代にストックオプションとして新株予約権が発行されたのですが(上場条件付き)、この会社のコンプライアンス上の問題発覚によって上場が困難になりました。そこで、会社法時代になってから取締役会で勝手に当該ストックオプションの行使条件を変更してしまって、元取締役の方々に都合のいいように新株予約権が行使され新株が発行されてしまいました。就任早々、この社外監査役の方は、「これは新株予約権の有利発行に総会の特別決議が必要であることの趣旨を潜脱したものでけしからん!」ということで、新株発行無効の訴え(予備的には無効確認)を(会社を被告として)提起した。」となっている。また、各種公開情報からは、元検事であり初代金融庁長官として社外監査役の果たすべき責務をまっとうしたこと、さらに、社外監査役として理想的な対応をなされたことなどは、本大賞において敬意を表されるべきものと思われる。同社をめぐっては様々な争いが巻き起こり、受賞者が株主側の社外役員としてプロキシ―ファイトで敗れるなどの後の動向はあったのもの、裁判官の補足意見などでも、社外監査役がよくぞ会社を訴え企業経営の是非を問い、健全なコーポレート・ガバナンスを追求したものとして賛辞も寄せられているものでもある。検事経験者でもあり大物社外取締役であるとはいえ、社会に対して監査役としての範を示した実際の行動については、その他の様々な賛否や意見はあろうが、本大賞において表彰し監査役がコーポレート・ガバナンスの重責を担うものとして改めて見つめ直す機会を与えてくれたものとして賞するものである。
【「勇気ある通報者大賞」(2014年度) 受賞者】
「たかの友梨ビューティクリニック」における違法労働通報を行った
女性の社員(女性)の方 (匿名対応)
<選出理由>
同受賞者は弁護士ドットコム10月5日付の株式会社不二ビューティの記事が正しいとするならば同記事によると、「「謝罪」に至るまでの経緯における問題点(1)当組合および被害者である当組合員と、日程に関して一度も調整がなされておらず、二日前の夜に急に呼び出された。(2)当日に具体的に何を行う予定なのかが不明確であった(特に、最初のFAXでは謝罪でなく「メッセージ」としか書かれておらず、説明もなかった)。(3)組合役員や代理人の同席を認めず、被害者である組合員一人で出席するよう求められた。ただでさえ、8月21日の事件により、被害者である組合員は精神的なショックを受け、出社に対して恐怖を抱いているところに、(1)~(3)のような不信感を抱かせるような対応をされたことにより、同組合員が再度傷つけられる恐怖を感じたため、同社に出席は困難であることを当組合から伝えました。そのうえで同社に対し、謝罪の日程や方法について、被害者である組合員と改めて調整するよう求めましたが、応じていただけませんでした。このように、被害者である組合員の事情を無視し、当事者不在のまま、一方的に「謝罪」を行ったとすることや、その場に組合員が出席していたかのような不正確な発表をすることは、被害者である組合員や当組合に対して不誠実な対応と言わざるをえません。また、事件発生から1ヶ月以上にわたって、当組合に対し事実関係について何らの釈明もせず、団体交渉の場(9月26日開催)においても、本件に関する回答や説明を拒否しておきながら10月2日になって突然、FAXの一本で被害者である女性を呼び出そうとする、たかの友梨ビューティクリニックの「謝罪」の姿勢には疑問があります。」などとの事実に基づく報道がなされている旨の記事が公開されている。同社に対する各種報道による主張からすれば、エステ業界でカリスマ的であり優越的地位を有すると推察される同社および同社のたかの友梨社長に対し、公益通報制度により業界に蔓延する違法な労働実態を是正するまっとうな活動は、まっとうでありながらその後の報復や他社への転職などの面から相当な勇気が必要であったと推察され、コンプライアンスに真正面から向き合ったその勇気をたたえたい。
【2013年度「勇気ある通報者大賞」の受賞者と授賞理由】
受賞者: 読者プレゼント水増し問題告発者の元秋田書店社員(女性:匿名対応として授賞)
<選考理由>
同受賞者は、産経新聞11月7日付の記事が正しいとするならば、同記事によると、「漫画雑誌の読者プレゼントの当選者数を水増ししたとして消費者庁から措置命令を受けた秋田書店の元社員の女性(28) が「不正を告発したら懲戒解雇された」として、同社に解雇撤回などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が7日、東京地裁(竹田光広裁判長)であった。秋田書店側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。原告側によると、女性は平成19年に秋田書店に入社後、プレゼント業務を約4年間担当。 前任者からの引き継ぎで当選者の水増しを知り、上司に抗議したが、不正を続けるよう要求されたという。女性はその後、睡眠障害などを発症し、23年9月から休職。昨年2月に「読者プレゼントを発送せず、盗んだ」とする解雇通知を受け、3月末に解雇された。原告側は「盗んだ事実はなく、休職中の解雇は無効」と主張している。 女性は法廷で意見陳述し「会社は違法行為をただすのではなく、私を解雇することで隠蔽(いんぺい)する道を選んだ。会社の体質が変わらない限り同じことが必ず起こる」と訴えた。」
また、別の報道によれば、この女性が休職中にも不正があった可能性があるとのことのようであり、公判中であり確定的にこの女性が法的に正当か否かは公判にゆだねるとして、勇気をもって不正を正し、その中でつらい思いをさせられ続けてきたことを勘案し、選考・大賞授賞とした。
秋田書店の各種報道による主張からすれば、この女性の方が悪者・不正行為者であるというような論調であったがそうならば、この女性は不正を自ら自首し改悛の情をもって対応したとも考え得るため、そうであってもここに勇気をたたえたい。
【2013年度「勇気ある監査役大賞」の受賞者と授賞理由】
雪国まいたけ 取締役より告発文を受け不適切会計の調査・是正をすすめた監査役各位 (合同授賞)
<選考理由>
同受賞者は産経ニュース2013.11.6(00:04)付の報道記事が正しいものとしたならば、同記事によると、「キノコ類の生産販売大手、雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)は5日、大平喜信社長が過去の不適切な会計処理問題の経営責任を取るために辞任を申し出て、同日の臨時取締役会で了承されたと発表した。辞任する時期や後任人事は決まり次第開示する予定としている。同日公表した社内調査委員会の報告書によると、過去に取得した土地の資産計上や広告宣伝費の計上の方法などに不適切な部分があった。同社は、会計処理問題の判明を受けて発表を延期した平成25年9月中間連結決算を開示する14日までに、問題があった部分を修正する方針だ。修正に伴う累計の影響額は約13億円になるという。雪国まいたけは「株主はじめ関係者の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をお掛けしたことを心より深くおわび申し上げます」としている。」となっている。
また、公表・掲出された各種情報からは、取締役より監査役に告発文が投じられ、不適切会計に関する調査を行った監査役は、経営陣に媚びることなく企業健全化に向けて勇気ある行動を起こした存在として敬意を表されるべきものと思われる。
なお、本件につき、オリンパスの飛ばし問題にかなり似たようなステップや記載様式で、当初の同社の内部統制を有効とする内部統制報告書が、後日、内部統制訂正報告書により「開示すべき重要な不備」として改められている。内部統制報告制度の抜け穴を突いたような「脱法内部統制報告制度的運用にメスを入れることに寄与した監査役各位に、本大賞を授賞しJ-SOXを再考する機会としても見つめ直すべき事案と思料される。
【2013年度「勇気あるガバナンス大賞」の受賞者と授賞理由】
ブラック企業大賞企画委員会
<選考理由>
同受賞者は産経ニュース2013.6.27 (20:08)付の報道記事や同委員会発表内容等が正しいものとしたならば、同記事によると、「労働問題に詳しい弁護士や労働組合の関係者らが選ぶ「ブラック企業大賞」のノミネート企業が27日、公表された。従業員の過労自殺問題などが取りざたされた外食関連企業や過労死が労災認定された婦人服製造販売企業など8社が選ばれた。8月11日に大賞が発表される。賞は、パワハラや長時間勤務など企業から過酷な労働を強いられる「ブラック企業」が社会問題化していることを受け、昨年創設された。今年は、過酷な労働をめぐって労災申請や訴訟が提起された企業などを対象に選定した。大賞は、弁護士の佐々木亮氏や首都圏青年ユニオン青年非正規労働センターの河添誠事務局長らがメンバーの「ブラック企業大賞実行委員会」が決定する。」とあり、また、既に同委員会のウェブサイトでも記者会見の模様を含めて各種公表の通り大賞選定を行っている。
ブラック企業の定義はさまざまに設定されているが、企業がとかくコンプライアンスの強化を叫ぶ中、サービス残業や過労死問題などの労働者保護のコンプラアンス対応を疎かにする、あるいは、コスト要因として厳しく疎外する中、コンプライアンス強化の本質的な問題の指摘を通じて、企業経営・企業統治のあり方や意識に企業経営者に媚びを売らずに一石を投じているように思われる対応に、社会的にエールを送るべきものと思料される。
また、大賞を、ブラック企業をブラックリスト方式で選出する手法は、海外で行われがちなものではあるが、日本の各機関が、広告主や協賛金や会費の拠出者への大人の事情から行いたがらないことを積極果敢に勇気をもって行っていることに敬意を表すべきかと考えられ得る。
同大賞授賞などの活動を通じ、社会的気運としても、司法・立法・行政各方面でブラック企業対策が促進され、企業経営者の企業統治のあり方を再考させる上で企業健全化・社会貢献等において寄与が少なくないと思われる。
【2012年度(2012年度は2大賞のみで、勇気あるガバナンス大賞は後に新設されたもの)】
【勇気ある監査役大賞(2012年)】
株式会社トライアイズ (元)監査役 古川孝宏 氏
<選考理由>
同氏は、同氏の監査をめぐる経営陣との対立に関連して2009年3月に監査役会の監査報告への付記意見の記載を求めたもののその主張が反映されなかったことから、株主総会の決議取消訴訟を提起したところ、2009年10月の臨時株主総会において任務懈怠等を理由として監査役を解任された。その後、詳細な経緯は公表されていないが、本年6月に会社は当時の臨時株主総会招集通知やその他の公表資料等の記載事項の撤回と同氏に対する名誉毀損に関するお詫びを公表するに至った。
同氏の監査役としての行動は、下記の点で本賞の趣旨に合致した勇気ある行動と考えられる:
・ 監査役の職務執行をめぐる取締役等との対立に際して監査役が法的手段等を行使してまでその正当性を主張しようとすることは当時において極めてまれであったこと
・ 本年6月の会社によるお詫び文の公表は、同氏が監査役を解任された後も自身の業務の正当性を主張し続けた結果であると考えられ、一連の議論を通じて監査役のあり方に対して一石を投じる結果になったと認められること
【勇気ある通報者大賞(2012年)】
オリンパス株式会社 社員 浜田正晴 氏
<選考理由>
同氏は、2007年に勤務先の上司が取引先から社員を相次いで引き抜こうとしたことについて社内の「コンプライアンス室」に内部通報を行った結果、配置転換等の不利益な処遇を受けたとして勤務先を提訴し、配置転換の無効確認等を求めていた。
同氏は2010年1月の一審判決では敗訴したものの、その後の2011年8月に高裁控訴審で勝訴し、本年7月の最高裁の上告棄却により高裁の勝訴判決が確定した。
同氏の当初の通報行為及びその後の裁判をめぐる行動は、下記の点で本賞の趣旨に合致した勇気ある行動と考えられる:
・ 同氏が問題と考えた上司の行為について、社内の自浄作用による問題解決を期待して社内の内部通報(ホットライン)制度を選択したこと
・ 配置転換等の処遇を受けた後も、勤務を継続しながら裁判の場で争う姿勢を貫いてきたこと